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【高校野球】智弁和歌山の黒川主将、試合中に星稜の奥川投手に漢方薬を送る

1 :THE FURYφ ★ :2019/08/18(日) 09:14:43.25 ID:gd6m5WWg9.net
普段から温厚そのもので、試合中も「あんまり吠えたりしないので」と語っていた星稜の大エース・奥川恭伸が終盤、吠えまくった。

「だいぶ熱くなってましたね」

そう照れ笑いを浮かべながら振り返った。

試合前、智弁和歌山の監督・中谷仁が冗談半分で「死闘になると思いますよ」と語っていたが、中谷もここまでの戦いになるとは
予想していなかったのではないか。

星稜と智弁和歌山の3回戦は、今大会初となるタイブレークまでもつれ、延長14回裏、6番・福本陽生のサヨナラ3ランでようやく
決着がついた。試合時間は、2時間51分。今大会唯一のスーパースターといっていい奥川は165球を費やし、23三振を奪いながら、
勝利をたぐりよせた。

奥川は戦前、智弁和歌山の「10人目」の敵を警戒していた。ブラスバンドの圧力だ。智弁和歌山の応援団はチャンスになると
「ジョックロック」と呼ばれる勇壮な曲を大音量で演奏する。甲子園ファンの間では、この音楽がかかると智弁和歌山の流れになり、
得点が入ると言われている。

奥川には、苦い記憶があった。この春の選抜大会、星稜は2回戦で習志野と対戦し、1−3で敗れた。習志野もやはりブラスバンドが
有名なチームだった。

「あの音にみんなやられてしまった。ピンチになると、それだけで気持ちのブレが生まれる。そこに応援の圧力がかかって、
動揺してしまいました」

この日は、相手の応援も逆手にとるつもりでいた。

「みんなで曲に乗っていこう、楽しんでいこうと話していた。僕たちが戦ってるのは応援ではないので」

その言葉通り、ジョックロックが流れると、奥川の投球はさらに力強さを増した。1-1で迎えた9回表、2アウト一塁から5番・根来塁
125キロのスライダーで空振り三振に仕留めたとき。延長12回、3者連続三振で切ったとき。タイブレークに入った延長13回、1アウト
一、二塁から連続三振をマークしたとき。いずれも「ヨッシャー!」と声を限りに叫んだ。

奥川には、自分の弱さを知っている者の強さがあった。智弁和歌山打線の印象を問われ「ぜんぜん楽しみじゃない。ほんと、こわいです」と
語っていたが、奥川のボールに「恐れ」は微塵も感じられなかった。

奥川は試合前、にこやかにこう語っていた。

「大事な一戦。終わったら、倒れるくらいの気持ちでいきたい」

実際、倒れる寸前だった。延長11回、「投げたときに(右足が)ピーンときた」と投球後、何度もバランスを崩しかけた。足がつっていたのだ。

その裏、先頭打者は奥川だった。ネクストバッターズサークルで軽く足を引きずりながら準備をしていると、チームメイトの内山壮真が
「(智弁和歌山の)黒川(史陽)キャプテンからです」とひと包みの漢方薬を届けてくれた。それを水と一緒に含むと効いたのか、以降は
ほとんど気にならなくなったという。

奥川は試合に勝った。だが、黒川の心遣いにこう言った。

「智弁の強さを感じました」

敵に「漢方」を送った黒川のやさしさには素直に負けを認めた。

https://number.bunshun.jp/articles/-/840402
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