【群馬】人気コケ群生地、電動カート諦めてマイクロバス導入...観光客増えすぎて対応できず

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http://sp.yomiuri.co.jp/national/20171226-OYT1T50020.html

　群馬県中之条町は、国の天然記念物「六合くにチャツボミゴケ生物群集の鉄鉱生成地」で計画していた電動カートの導入を断念した。

予想以上に観光客が増えて、乗車定員が少ないカートでは対応できないことが判明した。新設する駐車場からは、カートの代わりにマイクロバスで観光客らを運ぶ方針だ。

　チャツボミゴケはコケの一種で、強い酸性の水が流れる場所に自生する。町は、車の排ガスから群生地を守るため、２０１８年度から車両の乗り入れを規制する。群生地まで約３００メートルの駐車場を閉鎖し、その約１キロ手前にある管理棟の近くに新しい駐車場を設ける。車で移動できた約１キロの道に電磁誘導線を敷き、５人乗りの電動カート１０台を自動走行させる計画を描いていた。

　しかし、今年２月、国の天然記念物に指定されたことで、群生地を含む町営公園（４月下旬から１１月末頃まで開園）の入園者が急増。１６年度は約５万５７００人だったが、今年度は約７万人が訪れた。カートは充電式で、１日７往復しかできない。１０台に定員いっぱいの５人を乗せて７往復しても、運べるのは３５０人にとどまる。今年度、１日の入園者が３５０人を超えた日は８０日ほどあったという。

　さらに、群生地に向かうまでの道で今年度、観光客が転倒するなどし、救急車が出動したケースが３回あった。電動カートを導入すると道を塞いでしまい、救急車の走行に影響が出る可能性もあるため、町は代替案を検討。２８人が乗れるマイクロバス２台を導入し、新しい駐車場から旧駐車場までの約１キロを走らせることにした。乗車は有料の予定だ。

　町の担当者は「マイクロバスなら運転手がおり、安全にも配慮できる」としている。