【日米韓防衛相会談】結束強調　岩屋防衛相「３カ国の防衛協力を強化、推進したい」

クロ ★

　岩屋毅防衛相は2日、アジア安全保障会議が開かれているシンガポールでシャナハン米国防長官代行、韓国の鄭景斗（チョンギョンドゥ）国防相と約1時間40分会談した。3氏は朝鮮半島の非核化に向けて密接に協力することで一致。終了後、法の支配に基づく秩序の重要性や安全保障協力の推進などを盛り込んだ共同声明を発表した。

　岩屋氏は会談冒頭、5月9日の北朝鮮の短距離弾道ミサイル発射を挙げ「国連安全保障理事会決議に明白に違反する」と強調したが、声明では「最近の北朝鮮のミサイル発射について意見を交換した」とし、防衛当局として「引き続き警戒する」との表現にとどめた。一方で、国連安保理の制裁決議に反して北朝鮮船に違法に物資を積み替える「瀬取り」を撲滅するため、決議の完全な履行の重要性を強調。北朝鮮が、完全な非核化を検証可能かつ不可逆的な方法で求める安保理決議に従って義務を順守することを「国際社会の共通目標」と明記。3カ国が結束し、各国の協力を改めて求めていく姿勢をアピールした。

　声明ではまた、地域の安全保障について、海洋進出を続ける中国を念頭に昨年と同様に「航行や上空飛行の自由は確保されなければならない」と盛り込み、紛争は国際法に従って、平和的手段で解決されるべきだとの認識を確認した。「3カ国が主導する多国間の安全保障協力が、地域の平和と安定に重要な役割を果たしている」とし、情報共有、ハイレベルの政策協議、共同訓練を含む日米韓の協力を促進することでも一致した。

　会談後、岩屋氏は記者団に「北朝鮮について率直な意見交換ができた。成果を踏まえ、3カ国の防衛協力を強化、推進したい」と述べた。【シンガポール田辺佑介】

日米韓防衛相会談共同声明の骨子

・朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和の確立に向け、密接に協力

・最近の北朝鮮のミサイル発射について意見交換。引き続き警戒することを確認

・北朝鮮の「瀬取り」を抑止し中断させる。撲滅に向け、持続的な国際協力を確認

・国連安保理決議を完全に履行する国際社会のコミットメント（関与）の重要性を強調

・北朝鮮の完全な非核化を検証可能かつ不可逆的な方法で求める国連安保理決議に従って、国際的な義務を順守する国際社会の共通目標を確認

毎日新聞
2019年6月2日 20時22分
https://mainichi.jp/articles/20190602/k00/00m/030/161000c

【日米韓防衛相会談】結束強調 岩屋防衛相「３カ国の防衛協力を強化、推進したい」

【日米韓防衛相会談】結束強調　岩屋防衛相「３カ国の防衛協力を強化、推進したい」